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【一日一食】静けさの中でいただく、やさしい食と時間──龍雲寺禅堂の断食体験記

  • 執筆者の写真: 龍雲寺禅堂スタッフ
    龍雲寺禅堂スタッフ
  • 6月30日
  • 読了時間: 3分
やさしい
やさしい

はじめに

朝、何も食べないまま、山の澄んだ空気のなかで坐禅を組み、昼も特に何かを口にせず、夕方に温かい一汁一菜の精進料理をひと椀──。

龍雲寺禅堂の一日一食の暮らしは、そんな“足るを知る”感覚に満ちています。

「たった一食で足りるの?」「ちゃんと動けるの?」「お腹空いてイライラしない?」──実際に来てみた人の多くが、そんな不安を持ちながらも、帰る頃には目に輝きと余白を取り戻しています。

この記事では、龍雲寺禅堂で行われている“やさしい断食”を、体験者のまなざしと研究の視点の両方から紹介します。



1章:たくさん食べないことで、見えてくるもの

龍雲寺の一日一食は、ただの「我慢」ではありません。むしろ、

  • 体の声に耳を傾ける

  • 食べ物を五感で味わう

  • 心を静かに観る

という、どこか懐かしくて豊かな時間です。

仏教の考え方に通じるところもありますが、特定の宗教行為を強制されることはなく、自分のペースで過ごすことができます。

『ブッダの食事瞑想』(ティク・ナット・ハン)でも、一口ひとくちの丁寧さが心身に与える影響が語られています。


2章:精進料理と一日一食──ゆっくり満ちる“やさしい断食”

食べるのは夕方に一度だけ。

といっても、がまんを強いられるわけではありません。夕食には、旬の野菜、豆、海藻をつかった素朴ながらも滋味あふれる料理が並びます。

食べ終えた後、「あれ? 満たされてる」と静かに気づく自分がいます。

消化器を休ませることはもちろん、食欲や習慣を見直すきっかけにも。

Cell Reports(2021)では、空腹時間がオートファジー活性や血糖制御といった代謝改善と関係していると報告されています。


3章:体の内側で起きる静かな変化

「一日一食」は劇的な変化ではありません。 でも、こんな声が聞こえてきます:

  • 「朝、軽く起きられるようになった」

  • 「食後の眠気がなくなった」

  • 「頭が冴えて、仕事もはかどるように感じた」

無理なくゆるやかに整う。それが龍雲寺流の断食です。

Psychosomatic Medicine(2019)によると、規則的な空腹リズムは自律神経にも好影響を及ぼすとされています。


4章:それぞれの、一日一食の物語

「たくさん食べてた頃より、むしろ穏やかに過ごせた」

「口寂しさより、心が落ち着く感じの方が勝っていた」

「初めて“食べない”時間が怖くなかった」

そんな声が、リピーターや初参加者から自然とこぼれます。




5章:静かで、ひらかれた場としての龍雲寺禅堂

項目

内容

食事

精進料理を夕方に一回。五感で味わう一汁一菜

空間

森と山に囲まれた環境。必要な通信環境もあり安心

時間

朝と夜は坐禅、昼は自由時間。誰でも無理なく参加可能

教え

仏教の理念は尊重されるが、宗教的な強制や縛りは一切なし

サポート

経験豊富なスタッフと運動トレーナーが常駐し、心身をサポート



おわりに

一日一食は、我慢の断食ではなく、自分と向き合うための静かな余白。

龍雲寺禅堂のやさしい断食は、「ちょうどよさ」を探す旅の入り口です。

空腹の先にあったのは、空しさではなく、満ちる感覚でした。

自分の食のクセや心の声に気づいたとき、それはすでに“整い”の一歩かもしれません。



出典・参考文献

  • Cell Reports (2021), Salk Institute

  • Psychosomatic Medicine (2019)

  • 『ブッダの食事瞑想』ティク・ナット・ハン(2010)

  • 龍雲寺禅堂 公式サイト


 
 
 

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