「断食道場って、本当に痩せるんですか?」
- 2 日前
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こんにちは。龍雲寺禅堂スタッフの前岡です。
お問い合わせの中で、とても多い質問があります。
「本当に痩せるんですか?」
「7日間でどれくらい減りますか?」
「すぐ結果は出ますか?」
たしかに、体重というのは分かりやすい数字です。
だからこそ、多くの方が気になります。
実際、龍雲寺禅堂でも、7日間の滞在で体重が減る方は多くいらっしゃいます。
数kg変化する方も珍しくありません。
ただ、私たちは「何kg減ったか」だけを、一番大切なものとは考えていません。
なぜなら、本当に大切なのは、
その後の人生で
どんな食習慣を続けるか
どんな心の状態で生きていくか
だからです。
7日間だけ痩せても、家に帰ってすぐ元に戻れば、意味がありません。
逆に、滞在中の数字変化は小さくても、
その後の生活習慣が変わり、2か月で10kg近く健康的に減量される方も実際に多くいらっしゃいます。
今回は、
断食道場で本当に痩せるのか
なぜ「数字だけ」を追わないのか
一日一食と習慣改善の関係
科学的に見た食習慣と健康
本当の意味での「整う」とは何か
について、できるだけ丁寧にお話ししたいと思います。
龍雲寺禅堂は「短期間で激しく痩せる施設」ではありません
まず最初に、大切なことをお伝えします。
龍雲寺禅堂は、「短期間で体重だけを急激に落とす施設」ではありません。
世の中には、
数日ほぼ食べない
強い運動をする
極端に糖質を制限する
短期間で数字を落とす
という方法もあります。
もちろん、それで短期間に数字が大きく動く場合はあります。
ですが、私たちは、
「その後も続く健康」
「その後も続く穏やかな生活」
を大切にしています。
だから龍雲寺禅堂では、完全断食ではなく、
「一日一食の精進料理」
を基本としています。
なぜ“一日一食”なのか
「だったら完全断食の方が痩せるのでは?」
そう思われる方もいます。
確かに、“短期間の数字”だけを見るなら、完全断食の方が変化は大きいかもしれません。
ですが、龍雲寺禅堂では、
無理をしすぎない
日常へ戻しやすい
続けられる
心を乱しすぎない
ということを重視しています。
実際、現代人の多くは、
「食べすぎ」
というより、
「無意識に食べ続けている」
状態になっています。
空腹ではないのに食べる
ストレスで食べる
暇で食べる
夜遅く食べる
甘い物を習慣化する
“なんとなく”口に入れる
こうした積み重ねが、身体にも心にも負担をかけていきます。
だからこそ、まず必要なのは、
「食べない時間を丁寧に持つこと」
なのです。
“空腹”を悪いものと考えすぎている現代
現代では、空腹を極端に恐れる文化があります。
少しお腹が空くだけで、
すぐ補給
すぐ間食
常に何か口にする
という生活になりやすい。
ですが、人間の身体は、本来そこまで弱くありません。
むしろ近年は、「適度な空腹時間」が健康維持に関係している可能性が、多く研究されています。
たとえば、時間制限食(Time-Restricted Eating)や断続的断食(Intermittent Fasting)については、多くの研究が行われています。
米国の研究レビューでは、
体重減少
インスリン感受性改善
血糖改善
血圧改善
などの可能性が示されています。
もちろん、すべての人に同じ効果が出るわけではありません。体質や病気、年齢、生活環境でも違います。
ですが少なくとも、
「常に食べ続ける生活が、必ずしも健康的とは限らない」
ということは、多くの研究でも語られています。
7日間で痩せる人は多い。でも個人差は大きい
龍雲寺禅堂でも、7日間で体重変化が出る方は多いです。
ただし、本当に個人差があります。
比較的変化が大きい方
男性
若い方
元々食べ過ぎ傾向
外食や飲酒が多い
夜食習慣がある
むくみが強い
こうした方は、比較的数字が動きやすい傾向があります。
数字変化が小さい方
一方で、
女性
冷え性傾向
代謝が低い
元々小食
ダイエット歴が長い
ホルモンバランスの影響が強い
こうした方は、数字変化が小さいこともあります。
ですが、そこで「意味がない」とは、私たちは考えていません。
実は“数字があまり変わらなかった方”ほど、その後変わることも多い
これは、長年見ていて感じることです。
滞在中、
「全然減りませんでした…」
と落ち込まれる方でも、
その後の生活で、
間食が減る
夜食をやめる
食べる量を見直す
丁寧に噛む
早く寝る
飲酒が減る
無駄に食べなくなる
など、生活そのものが変わる方がいます。
そして数か月後、
「2か月で10kg減りました」「健康診断が全部改善しました」
というご報告をいただくことも、実際に少なくありません。
ここが、とても大切な点です。
人間の身体は「習慣」でできている
体重は、1日で増えたわけではありません。
何年もかけて、
食習慣
睡眠
ストレス
運動不足
夜更かし
飲酒
食べ方
などが積み重なって、今の状態があります。
だから、本当は、
「7日間だけで全部変える」
という考え方自体に、少し無理があるのです。
もちろん、7日間はきっかけになります。
ですが、本当に重要なのは、
「帰宅後の毎日」
です。
禅堂で身につけてほしいのは「我慢」ではなく“整え方”
誤解されることがあります。
「ずっと我慢するんですか?」「空腹に耐えるんですか?」
ですが、龍雲寺禅堂が目指しているのは、
“根性論”
ではありません。
むしろ逆です。
現代人は、
情報が多すぎる
刺激が多すぎる
食べ物が多すぎる
判断が多すぎる
ことで、常に心が疲れています。
だから、一度静かな環境で、
食を減らす
刺激を減らす
デジタルを減らす
考えすぎを減らす
そうすることで、本来の感覚が戻ってくるのです。
「無駄に食べない」という感覚
滞在中、多くの方が言われます。
「今まで、空腹でもないのに食べていました」
これは非常に大きな気づきです。
人間は、本来そこまで大量に食べ続けなくても生きられます。
ですが現代では、
ストレス解消
ご褒美
習慣
寂しさ
不安
など、感情と食が強く結びついています。
そのため、
“必要以上に食べる”
状態が起こりやすい。
龍雲寺禅堂では、その感覚を一度リセットしていきます。
精進料理だからこそ見えてくるもの
龍雲寺禅堂の食事は、派手ではありません。
一日一食の精進料理です。
ですが、だからこそ、
「本当に必要な量」
が見えてきます。
最初は、
「足りないかも」
と思っていた方が、
数日後には、
「意外と大丈夫ですね」
と変わっていきます。
そして、
丁寧に噛む
味わう
感謝して食べる
という感覚が戻ってくる。
これは単なるカロリー計算ではありません。
食との向き合い方そのものが変わっていくのです。
科学的にも「早食い」は肥満と関係が深い
厚生労働省や多くの研究でも、
早食い
満腹感を感じる前の過食
が肥満リスクと関連することが示されています。
現代人は、食べる速度がとても速い。
スマホを見ながら、動画を見ながら、仕事しながら、
“流し込むように食べる”
方も少なくありません。
ですが、禅堂では、
静かに食事と向き合います。
これだけでも、多くの方に変化が起こります。
睡眠と体重は大きく関係している
実は、睡眠不足も肥満と深く関係しています。
睡眠不足では、
食欲ホルモンの乱れ
甘い物欲求増加
食欲増加
などが起こることが知られています。
龍雲寺禅堂では、
早寝
朝起き
規則正しい生活
を基本にしています。
当たり前のようですが、現代ではこれが崩れている方が本当に多い。
夜更かしが減るだけでも、
食欲
気分
体調
が変わる方は多いです。
「心が乱れている時ほど食べてしまう」
これは、多くの参加者を見ていて感じることです。
不安が強い時、孤独な時、疲れている時、
人は食べやすくなります。
もちろん、食べること自体は悪ではありません。
ですが、
「心の穴を、食だけで埋め続ける」
状態になると、苦しくなっていきます。
だから龍雲寺禅堂では、
坐禅
読経
法話
静かな時間
を通じて、
「心そのものを整える」
ことも大切にしています。
体重だけでは測れない変化
滞在後によくいただく感想があります。
朝が楽
胃が軽い
イライラが減った
呼吸が深くなった
甘い物欲求が減った
夜食しなくなった
食べる量が自然に減った
これらは、体重計には出ません。
ですが、本当はとても大切な変化です。
血液検査が改善する方もいる
もちろん、医療行為ではありませんので、全員に同じ結果が出るわけではありません。
ですが、
血糖
中性脂肪
肝機能
血圧
などが改善したというご報告をいただくことがあります。
食習慣改善と体重減少は、生活習慣病リスク改善と関連することが広く知られています。
特別な魔法ではありません。
食べすぎを減らす
睡眠を整える
規則正しく生きる
心を落ち着ける
本来とても基本的なことです。
でも、その「基本」が、現代では非常に難しくなっています。
「すぐ痩せたい」気持ちを否定はしません
もちろん、
「まず痩せたい」
という気持ち自体は悪いことではありません。
体重が増えることで、
膝が痛い
息切れする
自信を失う
健康不安がある
そうした悩みも現実にあります。
だから、最初の入口が「痩せたい」でも構いません。
ただ、そこで終わってしまうと、また繰り返しになりやすい。
だからこそ、
「なぜ食べてしまうのか」「どんな生活をしていたのか」「どんな心の状態だったのか」
にも目を向けることが大切なのです。
数字だけを追うダイエットの苦しさ
世の中には、
1週間で○kg
1か月で激変
最速減量
という情報があふれています。
ですが、短期間だけ無理をすると、
リバウンド
反動過食
自己否定
疲弊
につながることもあります。
「頑張れなかった自分が悪い」
と思ってしまう方もいます。
ですが、人間は機械ではありません。
ずっと無理は続きません。
だから龍雲寺禅堂では、
“続けられる整え方”
を大切にしています。
一日一食を“家でも完全再現”しなくていい
これも大切な点です。
龍雲寺禅堂の滞在後、
必ずしも全員が、
「ずっと一日一食」
になる必要はありません。
むしろ大切なのは、
食べ方
食べる量
食べる時間
食べる意識
です。
実際、帰宅後は、
一日二食
三食でも適量
間食減少
夜食をやめる
だけでも、大きく変わる方がいます。
つまり、
“極端なことを続ける”
より、
“丁寧な習慣を続ける”
方が大切なのです。
「修行だからこそ続く」面もある
龍雲寺禅堂では、
朝のお勤めや坐禅なども含め、規律ある生活を行っています。
これは単なるイベントではありません。
身体と心を調えるための、一体の修行です。
現代では、
「好きな時に好きなだけ」
が当たり前になっています。
ですが、人間は不思議なもので、
ある程度の規律がある方が、整うことがあります。
起きる時間
食事時間
静かな時間
が決まることで、心身が落ち着いていく。
これは、多くの参加者を見ていて感じます。
「痩せる」より先に、“穏やかになる”方もいる
体重変化より先に、
表情
呼吸
話し方
が変わる方もいます。
最初は張り詰めていた方が、
数日後には、
少し力が抜けている。
これも、とても大きな変化です。
心が乱れていると、食生活も乱れやすい。
逆に、心が整うと、
自然に無駄な食が減っていく。
だから禅堂では、
「心」と「身体」を分けて考えていません。
“本当の健康”とは何か
本当の健康とは、単に数字でしょうか。
もちろん、
血圧
血糖
体重
も大切です。
ですが、それだけではありません。
よく眠れる
穏やかに食べられる
不安に飲み込まれすぎない
呼吸が浅くない
毎日を丁寧に生きられる
これも大切な健康です。
龍雲寺禅堂では、そうした“土台”を整えることを大切にしています。
「7日間だけ健康」では意味がない
これは住職もよく話しています。
7日間だけ痩せても、7日間だけ健康でも、
意味がありません。
帰宅後、
どんな生活を続けるか
どんな食べ方をするか
どんな心で生きるか
そこが、本当の修行です。
禅堂は、その“入口”です。
本当に大切なのは「生き方が変わること」
実際、多くの方が、
「食べ方が変わった」
だけでなく、
働き方
睡眠
人との距離感
スマホとの付き合い方
まで変わっていきます。
すると、不思議と身体も変わっていく。
人間の身体は、生活全体の結果だからです。
短期間で“数字だけ”を求めるなら、龍雲寺禅堂ではないかもしれません
これは正直にお伝えしています。
もし、
「とにかく短期間で激しく数字を落としたい」
という目的だけであれば、
龍雲寺禅堂の一日一食の修行は、合わないかもしれません。
ですが、
食習慣を整えたい
心も整えたい
無駄に食べない習慣をつけたい
本当の健康を目指したい
穏やかな生き方をしたい
そう考える方には、とても意味のある時間になると思います。
最後に|“痩せる”の先にあるもの
「本当に痩せるんですか?」
その答えは、
「痩せる方は多いです」
です。
ですが、私たちが本当に大切にしているのは、その先です。
数字は入口に過ぎません。
無駄に食べない
丁寧に食べる
早く寝る
静かな時間を持つ
心を整える
そうした習慣が、少しずつ人生を変えていきます。
7日間だけ頑張るのではなく、その後の日常を変えていく。
龍雲寺禅堂は、そのための場所です。
もし、
「本当の健康とは何だろう」「心の平安とは何だろう」
そう考え始めている方がおられましたら、ぜひ一度、静かな時間を過ごしにお越しください。
参考文献・参考資料
New England Journal of Medicine
“Effects of Intermittent Fasting on Health, Aging, and Disease”
JAMA Network
Time-Restricted Eating studies
厚生労働省 e-ヘルスネット
「肥満と生活習慣」「睡眠と生活習慣病」
Harvard T.H. Chan School of Public Health
Nutrition Source
Cell Metabolism
Intermittent fasting and metabolic health studies
日本肥満学会資料
国立健康・栄養研究所資料



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