寺修行体験とは?心と体を整える非日常の時間──龍雲寺禅堂ブログ
- 龍雲寺禅堂スタッフ

- 8月23日
- 読了時間: 5分

「日常から離れて、心と体を整えたい」 「一度でいいから“修行”というものを体験してみたい」
そんな思いを抱いて、龍雲寺禅堂に足を運ぶ方が年々増えています。
この記事では、現代人がなぜ今お寺での修行に惹かれるのか、実際にどのような体験ができるのか、そしてそれがどのように日常へ還元されていくのかを、龍雲寺禅堂での修行体験を軸にお伝えしていきます。
臨済宗の禅道場である龍雲寺禅堂で、私たちが日々お迎えしている参加者の姿を通じて、「修行とは何か」「なぜそれが人を整えるのか」を具体的にご紹介していきます。観光ではない、けれど誰でも参加できる「体験」としての修行の姿が、ここにあります。
1. 「修行体験」とは何をするのか
一口に「修行」といっても、そのイメージは人によって様々です。厳しい座禅?滝に打たれる?一日中掃除?
龍雲寺禅堂での修行体験は、そうしたイメージとは少し異なります。私たちがご用意しているのは、仏教の教えに基づきながらも、無理なく日常に戻せる“生活としての修行”です。
その特徴は次の3つに集約されます:
規則正しい生活リズム
一日一食の精進料理
朝と夜の必須プログラム(読経・坐禅・法話)
これらが、心と体に深い変化をもたらします。
2. 龍雲寺禅堂での1日の流れ
修行体験は、特別なプログラムが詰め込まれているわけではありません。むしろ、丁寧に時間を使うことが求められます。
<1日のスケジュール例>
06:00 起床06:30 朝のお勤め(読経)07:00 坐禅07:30 法話08:30 おはようストレッチ(自由参加)午前〜午後:仕事・散策・仏教体験・静かな時間(自由)17:15 運動教室(自由参加)18:15 夕食(天皇陛下の料理番による精進料理/一日一食)19:30 夜の坐禅20:00 おやすみストレッチ21:00 就寝
特徴的なのは、**朝晩の読経・坐禅・法話が“自由参加ではない”**ことです。多くの宿坊ではこうした体験が任意参加ですが、ここでは“生活の一部”として組み込まれています。
3. 一日一食で「空腹」と向き合う意味
修行体験者の多くが驚くのは、食事の量ではありません。
「一日一食で、こんなに集中できるとは思わなかった」 「夕方の食事が、人生で一番美味しく感じた」
一日三食という当たり前を一度手放してみると、食べることの意味が変わってきます。
空腹は「我慢」ではなく、「感覚を研ぎ澄ませる時間」。身体が軽くなり、脳が冴え、坐禅や仕事の集中力が増していきます。
4. デジタルデトックスは任意。Wi-Fiは高速安定
修行体験というと、スマホ禁止・通信遮断と思われるかもしれませんが、
龍雲寺禅堂では「デジタルデトックスは希望制」です。
Wi-FiはNTT基地局から直接引いており、非常に安定しています。日中は仕事をして過ごす方、執筆・創作活動に集中する方も多数いらっしゃいます。
5. 参加者に見られる変化
数日間の修行体験で、人はどれほど変われるのでしょうか。
私たちが日々目にするのは、以下のような変化です:
表情が柔らかくなる
歩き方が丁寧になる
言葉が減り、目が穏やかになる
食事の前に自然と合掌するようになる
帰る頃には「また来ます」と静かに笑う
特別な言葉や教えよりも、環境とリズムが人を整える──それが、修行体験の本質です。
6. 初心者でも安心して参加できる理由
龍雲寺禅堂は、厳しい修行を売りにした道場ではありません。
参加者の多くは、禅や仏教について何の知識もないまま訪れます。けれど、スケジュールに身を預けてみるだけで、心と体は不思議と順応していくのです。
スタッフや指導者は常に側におり、必要以上の介入はせず、困ったときにはそっと支えます。
7. 修行体験に向いている人・向いていない人
【向いている人】
環境を変えたいが海外に行く時間はない
心を整える習慣を持ちたい
食生活や生活習慣を見直したい
静かな場所でひとりの時間を持ちたい
【あまり向いていないかもしれない人】
好きな時間に食事を取りたい
団体旅行のような賑やかな時間を求めている
サービスを受けることを重視したい
8. 修行体験を終えてからが、本当の始まり
「帰りたくない」──修行体験の最終日に、何度も聞く言葉です。
けれど本当の修行は、日常に戻ってから始まるのかもしれません。
静かに箸を置くこと
怒りを手放すこと
朝の支度を丁寧にすること
それらはすべて、ここで過ごした時間と繋がっています。
9. 龍雲寺禅堂について
龍雲寺禅堂は、静岡県浜松市の湖畔にある禅道場です。
「山奥」ではありませんが、駅からも近く、自然が豊かで静寂に包まれた環境が特徴です。
個人の参加を基本とし、少人数制で静けさを守っています。
また、寺社としての営利活動は行っておらず、体験費用は実費のみ。体験は最低2泊以上から可能で、すべて事前予約制です。
詳細・予約案内:https://www.ryouun-zendo.com/
まとめ:寺修行体験とは、「自分に戻る」ための静かな道
寺での修行体験は、決して特別な人のためのものではありません。
むしろ、今を忙しく生きているすべての人に開かれた、“心と体を整える時間”です。
観光ではなく、習い事でもなく、スピリチュアルでもない。
けれど確実に、何かが静かに変わる体験が、ここにはあります。
もし「少し気になっている自分」がいるなら、その小さな気配をどうぞ大切に──。
龍雲寺禅堂は、いつでも静かに、お待ちしております。



コメント